2023/9/29 Flavor

【Flavor Flavor】Vol.6 唐辛子のピリ辛で食欲が止まらない「ペペロンオイル」

「フレーバーオイル」をご存じですか?
名前を聞いたことはあるけれど本当は使ったことがない。どんな料理に使ったらいいかわからない。そういう方のために、フレーバーオイルの魅力をお伝えするこのコラム。
今回は、安芸の島の実の「ペペロンオイル」をご紹介します。

〈 時間と手間をかけて唐辛子の味を最大限残す 〉


ペペロンオイルは、エクストラバージンオリーブオイルに、広島県産の唐辛子で辛味を加えた香味オイルです。

広島県庄原市は寒暖の差が激しく、収穫期の秋には昼夜の温度差が20℃を超えるので、甘みや香りが良い唐辛子を栽培できます。
唐辛子を育てているのは、広島県庄原市で香辛料を専門に栽培されている吉岡香辛料研究所の吉岡紘さん。辛さの中にも、旨味や風味を感じられる唐辛子がどのように作られているか、お話をうかがいました。


「種から栽培して、加工、販売まですべて管理を自社で行っています。落ち葉や堆肥、自家製の菌液などの有機物だけを使っていて、農薬や化成肥料は一切使用していません。 唐辛子は連作障害(同じ科の野菜を同じ圃場でくり返し作り続けることで生育不良となり収穫量が落ちてしまう障害のこと)が起こる作物ですが、今の栽培手法で10年連続栽培していて、当初出ていた病気も年々減少して、収量も増加していますよ。

30時間以上の時間をかけて低温で乾燥させて、唐辛子の持つ風味・香り・辛味が最大限残るようにしています。
激辛の品種を加工するときは肌をすべて隠して、防塵マスクを着用して行います。細かい粉末がマスクの中に入るので作業は3時間が限界。涙、鼻水、くしゃみとの戦いです(笑)」

今後の目標についても教えていただきました。

「広島県の名物と唐辛子は大変相性が良いこともあり、将来的には、広島県を唐辛子生産日本一にしたいですね。
庄原市は、ほかの地域と同じように過疎化が進んでいて、耕作放棄地も年々増えています。このままでは近い将来、子どもたちが帰ってきたくても帰る故郷が消滅してしまいます。耕作放棄地や放置された山林などの土地に価値を持たせて、小さくても生活できる産業を作って、残すことが故郷を残す手段であって、大人たちがしなければならないことだと思っています」

〈 海外の最高ランクのオイルをブレンド 〉


オーガニックやグルテンフリーなど、食への関心が高い農業大国オーストラリア。北半球のオリーブ生産諸国に似た気候で、生産量はなんと日本の約100倍。イタリアやギリシャからの移民も多く、オリーブオイル文化が根づいています。

安芸の島の実のフレーバーオイルには、現地の最大手Boundary Bend Olives社の最高ランクのエクストラバージンオリーブオイルをブレンドしています。生産から搾油、オイル保管までの水準の高さと、国際基準より厳しいとされるオーストラリアオリーブ協会の基準をクリアしている品質の高さ、そしてフルーティーなテイストで選びました。

南半球のオーストラリアでは、オリーブの収穫・搾油が5~7月に行われます(日本では9~10月)。収穫・搾油時期が異なる海外のオイルをブレンドすることで、安芸の島の実のフレーバーオイルは1年を通して安定したおいしさを実現しています。

〈 ペペロンオイルを使ったオリジナルレシピ 〉


●カリカリ牛肉のメキシカンサラダ


レシピの詳細はこちら

全6回にわたってフレーバーオイルの魅力をお伝えしてきました。
料理におすすめのオイルもご紹介しましたが、きっとほかにも相性のいい組み合わせはあるはずです。毎日の食事に気軽に取り入れて、あなたの好みに合う組み合わせを見つけてみてはいかがでしょうか。

Vol.1 料理の味に深みが出る「フレーバーオイル」とは
Vol.2 このメニューにはこのフレーバーオイル 野菜料理・魚料理 編
Vol.3 このメニューにはこのフレーバーオイル 肉料理・麺類・デザート 編
Vol.4 和洋どちらにも使える便利な1本 「レモンオイル」
Vol.5 爽やかさとほろ苦さのマリアージュ「ハッサクオイル」
Vol.6 唐辛子のピリ辛で食欲が止まらない「ペペロンオイル」 (本項)

一覧へ