2025/9/4 Flavor

【Flavor Flavor】Vol.7 ユズの風味が料理のいいアクセントになる「ユズオイル」

「フレーバーオイル」をご存じですか?
名前を聞いたことはあるけれど本当は使ったことがない。どんな料理に使ったらいいかわからない。そういう方のために、フレーバーオイルの魅力をお伝えするこのコラム。
今回は、安芸の島の実の「ユズオイル」をご紹介します。

〈 オリーブに合う絶妙な熟度の果実を 〉


ユズオイルは、エクストラバージンオリーブオイルに、広島県産の乾燥ユズを漬け込んでユズの風味を加えた香味オイルです。
原料には、農薬不使用で育てられた広島県安芸高田市の「川根柚子」を使っています。生産しているのは、川根柚子協同組合。代表理事の熊高昌三さんを訪ね、農薬不使用に至った経緯を教えていただきました。


「私が受け継いだ時には、栽培農家がすでに高齢化して、消毒する労力さえなく、自然栽培に近い形になってきていました。それならあっさり無農薬栽培にして、草刈りと枝の剪定に手間ひまかけて、時代を先取りした栽培方法にしました。合わせて、製品づくりも無添加にこだわりました」

現在の栽培方法は、栽培期間中農薬不使用。つまり、農薬を一切使わず、選定作業や手作業での草刈りを中心とした自然な方法で育てられています。

「それは単なる経費削減だけではなくて、高齢化や担い手の減少といった地域課題にも配慮しながら継承されてきた、地域全体の知恵と工夫の結果です」と熊高さんは話します。


そうして育てられた果実は、苦味の少なさ、果皮の肉厚さ、甘く豊かな香りが特徴といわれています。

「果皮に含まれる苦味成分のナリンギンが少ないので、苦味は控えめです。たとえば、四国産は皮が薄くて酸味が強くてキリッとした爽やかさがありますが、川根柚子は糖度が約10度、pHは中性に近い約3.0とされ、甘みと香りのバランスに優れたコクのある果汁を味わえます。果皮が非常に肉厚で、厚さは高知産や九州産と比べて約1.8倍もあります。果皮も甘めの印象で、本来の香りに加えて、やわらかく甘い香りを感じられますよ」

最後に、オリーブオイルとの相性についてもコメントをいただきました。

「このユズオイルに使われているのは、半分青く、半分黄色い絶妙な熟度の果実で、わずかな期間しか収穫できません。青柚子のフレッシュな香りと、完熟した黄柚子の甘くまろやかな香りが合わさった、まさにオリーブと相性の良い状態の川根柚子です。ぜひこの香りと味わいをお楽しみください」


〈 海外の最高品質のオイルをブレンド 〉


世界のオリーブオイル生産量の約半分を占めるスペイン。なかでも、南部のアンダルシア地方は世界最大のオリーブ生産地として知られています。

その地に構えるVenchipa S.L.社のオリーブオイルブランドが、「O‑Med」です。10〜12月上旬の超早摘みを夜間に実施し、収穫後2時間以内に搾油。自社農園の栽培から搾油・瓶詰・輸出まで一貫管理し、高いトレーサビリティも確保。収穫初日限定シリーズを含む単一品種エクストラバージンオリーブオイルなどを展開しています。

※写真はイメージです


安芸の島の実ユズオイルには、「O‑Med」の最高品質のエクストラバージンオリーブオイルをブレンド。海外のオイルをブレンドすることで、安芸の島の実のフレーバーオイルは1年を通して安定したおいしさを実現しています。

〈 ユズオイルを使ったおすすめレシピ 〉





・蒸し野菜
・白身魚のソテー
・冷しゃぶサラダ
・そうめん

さらに、こんな料理にもおすすめ!
・ズッキーニとパプリカのマリネ
・真鯛のカルパッチョ
・豚バラ肉の柔らか蒸し(ポン酢でさっぱりと)
・カクテルの香りづけ(ジントニックやハイボールにひとかけ)


全7回にわたってフレーバーオイルの魅力をお伝えしてきました。
料理におすすめのオイルもご紹介しましたが、きっとほかにも相性のいい組み合わせはあるはずです。毎日の食事に気軽に取り入れて、あなたの好みに合う組み合わせを見つけてみてはいかがでしょうか。

Vol.1 料理の味に深みが出る「フレーバーオイル」とは
Vol.2 このメニューにはこのフレーバーオイル 野菜料理・魚料理 編
Vol.3 このメニューにはこのフレーバーオイル 肉料理・麺類・デザート 編
Vol.4 和洋どちらにも使える便利な1本 「レモンオイル」
Vol.5 爽やかさとほろ苦さのマリアージュ「ハッサクオイル」
Vol.6 唐辛子のピリ辛で食欲が止まらない「ペペロンオイル」
Vol.7 ユズの風味が料理のいいアクセントになる「ユズオイル」 (本項)
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